【コラム#55】自殺未遂歴のある従業員の復職について
みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチ森川です。今回は「自殺未遂歴のある従業員の復職について」お話したいと思います。
自殺未遂について
自殺未遂者の実に9割は、何かしらの精神科的な診断がつくと言われています。
内訳としては、約3割がうつ病などの気分障害、約2割が不安症などの神経症性障害、約2割が統合失調症、残りの2割が人格的な問題や、薬物などの依存などの結果と言われています。自殺時にはほとんどの人が「病気」の状態であるということです。また、自殺を図った人たちには、共通する3つの状態があるといわれています。
【心理的視野狭窄】
強いストレス状況下で、実際に物の見方が狭まったり、思考や認知の幅が狭まってしまう状況です。様々な解決方法を試すことなく、また検討することも出来ず、「死ぬしか解決方法がない」と思い込んでしまうような状況です。
【強くて揺れ動く自殺への思い】
自殺に及ぶ際、実際にはほとんどの人が「死にたい」気持ちと同様に、「死にたくない」気持ちももっています。その間を揺れ動いているわけですが、揺れが小さい間は自殺を頭の中でとどめておけます。しかし、その揺れが大きくなると、行動に移してしまうことがあるのです。
【焦燥感】
落着かない様子で動き回る、そわそわした様子が強い、怒りっぽくなるなどの焦燥感は、自殺に至る兆候としても捉えられます。このような場合は要注意です。
内訳としては、約3割がうつ病などの気分障害、約2割が不安症などの神経症性障害、約2割が統合失調症、残りの2割が人格的な問題や、薬物などの依存などの結果と言われています。自殺時にはほとんどの人が「病気」の状態であるということです。また、自殺を図った人たちには、共通する3つの状態があるといわれています。
【心理的視野狭窄】
強いストレス状況下で、実際に物の見方が狭まったり、思考や認知の幅が狭まってしまう状況です。様々な解決方法を試すことなく、また検討することも出来ず、「死ぬしか解決方法がない」と思い込んでしまうような状況です。
【強くて揺れ動く自殺への思い】
自殺に及ぶ際、実際にはほとんどの人が「死にたい」気持ちと同様に、「死にたくない」気持ちももっています。その間を揺れ動いているわけですが、揺れが小さい間は自殺を頭の中でとどめておけます。しかし、その揺れが大きくなると、行動に移してしまうことがあるのです。
【焦燥感】
落着かない様子で動き回る、そわそわした様子が強い、怒りっぽくなるなどの焦燥感は、自殺に至る兆候としても捉えられます。このような場合は要注意です。
2度の自殺未遂
具体的なケースについてお話します。
本ケースでは、自殺未遂を2度繰り返しています。上述したように、当該従業員は「病気」の状態であると思われます。まずは、しっかりと病気の回復状況を確認したいところです。
当然主治医は自殺未遂のことは知っていると思いますが、今までの経緯がしっかりと伝わっていないようなケースであれば、会社もしくは産業医から、改めて整理した経緯をお伝えした上で、復帰が可能かどうか改めて判断を求めましょう。
本ケースでは、自殺未遂を2度繰り返しています。上述したように、当該従業員は「病気」の状態であると思われます。まずは、しっかりと病気の回復状況を確認したいところです。
当然主治医は自殺未遂のことは知っていると思いますが、今までの経緯がしっかりと伝わっていないようなケースであれば、会社もしくは産業医から、改めて整理した経緯をお伝えした上で、復帰が可能かどうか改めて判断を求めましょう。
家族との面談
2度の自殺未遂がある本件では、ストレス状態に陥った際に、再度自殺を試みるのではないかという予見可能性が高いとも考えられます。症状が寛解した、本人に復職の意志はある、そうだとしても、再度の復職を家族として望むのか、ここは家族との話し合いも必要ではないでしょうか。
ご家族との話し合いの際には、会社側からは複数名で参加し、今までの会社での勤怠や人事部や上司の今までの本人への対応など、開示できる情報を持参し説明することも1つではないでしょうか。本人からの同意が得られれば、なお良いと考えます。
会社に対して複雑な感情を持つご家族もありますが、ご家族が知らない、会社の今までの真摯な対応を知り、一緒に今後のことを考えて下さるケースもあります。ご家族からの説得で新たな道を進む方もいらっしゃいます。ご家族と本人の関係が複雑な場合は、会社側もカウンセラーなど専門職を対応に加わえれば、より力になるでしょう。
また、本ケースでは2度とも過量服薬です。薬の管理は、家族に必須でお願いしましょう。毎日必要量しか服薬できない環境整備は大切です。
ご家族との話し合いの際には、会社側からは複数名で参加し、今までの会社での勤怠や人事部や上司の今までの本人への対応など、開示できる情報を持参し説明することも1つではないでしょうか。本人からの同意が得られれば、なお良いと考えます。
会社に対して複雑な感情を持つご家族もありますが、ご家族が知らない、会社の今までの真摯な対応を知り、一緒に今後のことを考えて下さるケースもあります。ご家族からの説得で新たな道を進む方もいらっしゃいます。ご家族と本人の関係が複雑な場合は、会社側もカウンセラーなど専門職を対応に加わえれば、より力になるでしょう。
また、本ケースでは2度とも過量服薬です。薬の管理は、家族に必須でお願いしましょう。毎日必要量しか服薬できない環境整備は大切です。
リワークとセカンドオピニオン
復職に移行するのであれば、リワークなどが必要かどうかも確認したいところです。
「病気」とは言いましたが、お薬だけで良くなる症状もあれば、認知や思考の癖が強い場合などは、リワークなどでの訓練が効果を発揮する場合もあります。同じような境遇の人と支え合い、自分を振り返り、新しい行動を身に着ける実験をする場になると思います。
さらに、本ケースではセカンドオピニオンを求めることも選択肢になると考えます。主治医とは異なる精神科の専門医に、本人の状況を確認してもらい、復帰時の注意事項も含めて意見をもらうことです。
なかなか、このような医師を見つけることが難しい場合もあります。そのような時には、EAPなどが提供するセカンドオピニオンサービスを活用するのも1つではないでしょうか。
「病気」とは言いましたが、お薬だけで良くなる症状もあれば、認知や思考の癖が強い場合などは、リワークなどでの訓練が効果を発揮する場合もあります。同じような境遇の人と支え合い、自分を振り返り、新しい行動を身に着ける実験をする場になると思います。
さらに、本ケースではセカンドオピニオンを求めることも選択肢になると考えます。主治医とは異なる精神科の専門医に、本人の状況を確認してもらい、復帰時の注意事項も含めて意見をもらうことです。
なかなか、このような医師を見つけることが難しい場合もあります。そのような時には、EAPなどが提供するセカンドオピニオンサービスを活用するのも1つではないでしょうか。
復帰時の注意事項
ご家族、主治医、カウンセラー、セカンドオピニオン、産業医、といった専門家などからの情報で「復職可能」と出ているとしても、会社としては「2度あることは…」と心配になるのが通常です。念には念を入れて対応したいところです。
◎主治医からの診断書に復帰の際の注意事項(配置転換の必要性、勤務時間の制限など)を記載してもらう
◎家族と情報共有(同居も含めて)する
◎薬の管理について確認する
◎自殺の意志について直接確認する
◎自殺しないと約束させる
◎フォロー体制を強化する
◎不調のサインを認識させ、いち早く専門家につながる、つなげる
「自殺しません」と言ったとしても結果が保証されるわけではありません。しかし、家族は、会社は、2度とこのような出来事を繰り返したくない、あなたのことを大切に思っている、あなたを失いたくない、とのメッセージとして「約束」してもらうのは大切な儀式と考えます。復帰後の面談も、通常よりも頻度を増やすことも必要ではないでしょうか。
主治医、産業医、カウンセラー、上司、人事労務担当者、と多くの目で見守りたいところです。
◎主治医からの診断書に復帰の際の注意事項(配置転換の必要性、勤務時間の制限など)を記載してもらう
◎家族と情報共有(同居も含めて)する
◎薬の管理について確認する
◎自殺の意志について直接確認する
◎自殺しないと約束させる
◎フォロー体制を強化する
◎不調のサインを認識させ、いち早く専門家につながる、つなげる
「自殺しません」と言ったとしても結果が保証されるわけではありません。しかし、家族は、会社は、2度とこのような出来事を繰り返したくない、あなたのことを大切に思っている、あなたを失いたくない、とのメッセージとして「約束」してもらうのは大切な儀式と考えます。復帰後の面談も、通常よりも頻度を増やすことも必要ではないでしょうか。
主治医、産業医、カウンセラー、上司、人事労務担当者、と多くの目で見守りたいところです。
投稿日:2020.08.19